「ゴメン・・・ 今はまだ君と走るコトが出来ないよ」
そっと手を添え 金属の冷たい感触が伝わってくる
今は眠ったままの ただの金属の塊
君と走るにはあまりに 懐かしい記憶が蘇るから
いつか 想い出に変わるまで待って欲しい
心が止まった季節から 幾日過ぎ去ったのだろう
また僕の時間が 止まった季節がやって来る
街にはきらびやかな光が灯り
温もりに包まれた人々が 笑顔で通り過ぎて行く
喜怒哀楽の消えた僕の顔は まるで仮面のよう
喜ぶコト 怒るコト 哀しむコト 楽しむコト・・・
感情の消えた僕の心に 何気ない無垢な笑顔で
傍に居た君は 消えてしまった
動かなくなったモノが 哀しい顔で僕を見つめる
「ゴメン・・・ まだ走れそうにないよ・・・」





